蕗狩軽便図画模型工作部日記

ー シュレマル工房 覚え書き ー

鉄道模型の価値、評価基準みたいなものについて考えてみた

たぶん鉄道模型趣味人の大半は実物鉄道車輌ファンだと思われるので、鉄道模型は走ってナンボよりも、いかほどに実車を精密にミニチュア化してナンボという面の方がずっと大きいように思う。

もともと鉄道車輌という魅力的なものを対象とした玩具、工芸品から発展した模型趣味なのだから、考えてみればそっちのほうがずっと普通かもしれない。

だからよくできた写実的な精密な模型製品を所有することが趣味の目標となっている人も多いと思う。そういう背景から、より優れた製品が出たら手持ちのものを処分して買い替えるひとが沢山いるとも聞く。

また、工作は、製品に無いものをつくって所有するのが目的となるので、製品が存在するものはつくる対象にはならないと言われたりするのもわからなくはない。その人にとって模型工作そのものが楽しいかどうかは別問題として。

そういう理由で、模型テクニックもどれだけ写実的に表現できるかに掛かっている。だから新たな材料や新たな工具(3Dプリンタ含む)が出てきても、その使いこなしの方向性はこれまでの技法による最高の表現テクニックを、より簡単により上回って代替できるかどうかがいちばんの関心事となっているように思う。

というような事を考えていると、解像度の低い、積層痕や造形の乱れが目立つFDM方式の3Dプリンターを、鉄道模型工作にあえてずっと利用しているのはおそらく蕗狩軽便図画工作部シュレマル工房くらいのものだろうと思ってしまったりする。

でもそれは、決してお金や向上心が無いからというわけじゃなくて、FDM方式の宿命的欠点?特徴?を逆手に取って利用できないかなと思っているから、と言いたいのだが、なかなか自己満足以上にならないのがもどかしい。

困ったことである。けしからんことなのである。

ついでに好みや関心のあること、趣味を楽しむ上で大事なことについても考えたので書いておく事にする。

「それの何が面白いの?何の役にたつの?」と聞かれて答えられるようなモノやコトは、まず確実に自分にとってちっとも面白くなく何の役にも立たないモノやコトなので、答えられないモノやコトの方が比較にならないくらい価値のある大事なモノやコトだと思う。

人に何と言われようと、馬鹿にされようと、嘲笑されようと、無視されようと、そういうモノやコトを大切にし、積極的にのめり込んでいくのは文句なしに素敵なことなのだと思う。

それが好奇心を持つということ、趣味を楽しむということだと思う。

ちゃう? 

しらんけど。