何十年も前から、製材所で分けてもらった(ほぼ商品にはならないレベルの)ヒノキの一枚板に自作の脚を付けたダイニングテーブルを使っています。
幅が60センチしかなく、少し歪みもあるので決して使い勝手が良いとは言えないものの、実用的には十分で雰囲気もそれなりなのでそのまま使ってきました。
困るのは多人数が集まったとき、狭いこと。これまでは補助机を出して凌いできましたが、向かい合って座るとその幅の狭さに往生します。
なので、テーブル天板の縁に板材を沿わせて設置し幅を広げられるようにしました。
材料は安上がりにホームセンターで買ったホワイトウッドを使います。
テーブルトップ裏に支える腕を取り付け、適当なスペーサーを介して板を置けば良いだろうと安易に考えていたのですが、改めて自作テーブルの構造を確認して頭を抱えました。
よほど丈夫に腕を取り付けないと、継ぎ足した板に肘をついたりして荷重がかかると落ちかねません。どうやって丈夫に腕を取り付けるか困ってしまいました。
脚の上端横木に腕をボルト止めするのが一番良さそうですが、テーブルトップと脚を緊結する金具が邪魔です。これを避けるために適当な厚さの板を貼り付けたり、簡単に着脱出来るような構造にすることなど、考え出したらその工作の手間に気が遠くなりそうになりました。
嫌になって目の前の難題から逃亡し、3Dプリントでてきとーな鉄道模型車両などをつくって遊んでいるうちに、はっと思いつきました。
スペーサーとか腕の取り付けガイドに当たる部分は3Dプリントでつくれるんじゃね? そんなに強度いらないんだし、思った形のものを誂えられるんだし……
ということで、力の掛かる支え部分は厚手L字金具に担わせることにし、それを組み込んだ腕取り付けガイドブラケット部品を設計して試作品をプリントアウト。寸法と機能を確認して微調整し、4つ量産しました。
これを天板の裏に沿わせて脚上端横木にねじ止めします。
腕木を差し込みます。差し込んでいるだけなので取り外し自由です。
天板の縁のカーブに合わせて追加する板材をジグソーで切り欠き、ヤスリで整形します。
腕木への固定を兼ねたスペーサーを3Dプリントでつくって継ぎ足す板材の裏にネジ止めします。
腕木に乗せて出来上がりです。もともと天板が少し沿って捻れているのでぴったりツライチの平面になりませんし継ぎ接ぎ感がすごいですが、精一杯の素人日曜大工DIYということで勘弁してもらいます。
天板に比べてずっと薄い板材が2枚並んでいるので継ぎ接ぎ感が強調されてちょっと残念。広幅の厚板だったらよかったのですが。格安の間に合わせ、取り外し自由の仮設テーブルトップ幅拡張板ですので、これでまあヨシということにします。
継ぎ接ぎ感があんまり気になるときはテーブルクロスを掛けて誤魔化そうと思います。
材料費は木材と金具で約2000円、3Dプリントの樹脂フィラメント代が500円くらい。3Dプリンター出力時間は試作を含め延べ約25時間というところでしょうか。
3Dプリンターは便利で重宝しますが、単純な形のものでもプリントアウトにやたら時間がかかるのと、造形物の内部構造と材質から切ったり貼ったり削ったりすることが難しく、現物合わせの調整が効かないので、修正は設計作図からのやり直しになるのが難点です。