蕗狩軽便図画模型工作部日記

ー シュレマル工房 覚え書き ー

OOゲージ英国型蒸気機関車のヘッドランプ(標識灯)をつくりました

英国型蒸気機関車にはヘッドライトがありません。

理由は「必要なかったから」だそうです。

線路には柵が設けられていて人や動物が入ることもなく、道路は殆ど立体交差。それに当時の油灯の前照灯なんて暗くて殆ど役に立たないので、そんなもんいらん!となったということのようです。

それに加えて英国人の、「美しい機関車にそんな余計なものをつけたらカッコ悪いではないか」という美意識のなせるところが大きかった、という話もあったとかなかったとか。

しらんけど。

その代わりに、標識灯というものが存在します。

どういう目的で走っている列車か示すために付けるもので、標識灯を付ける位置で識別します。

機関車トーマスのフロントデッキにもついている白い小さなヘッドランプがそれです。

がしかし、HORNBYなど市販の鉄道模型製品にはそんなもの付いていません。アクセサリーパーツとしても販売されているのを見かけません。

なのでつくりました。

以前にボタン電池で点灯する英国型の前照灯?標識灯?をつくったことがありますが、大きさが全然違うので最初からの設計作図です。

sktrokaru.hatenablog.com

本やネットの写真を見ながらてきとーにスケッチしててきとーに大きさを決めてきとーに作図しててきとーに手持ちのFDM方式の3Dプリンターで出力してみたら、案の定カタチになってくれませんでした。

FDM方式3Dプリンターの出力の仕組みと0.4mmのノズルの解像度では当たり前の話です。

なので、光造形方式で模型製作をしている知人に頼んで出力してもらいました。FDM方式とは大違いです。なるほどこれなら正統派ファインスケールの鉄道模型製作の技法として利用したくなると納得。

ただ、標識灯設置ペグに引っ掛けるための小さな穴は、樹脂が綺麗に流れ落ちなかったのか塞がってしまっていたのでドリルでさらう必要がありました。ここの構造は考え直す必要がありそうです。

白く塗ってマラードに取り付けてみました。

こちらはプリンセスクラス、ダッチェス・オブ・ケントへの装着例です。

目分量でてきとーに大きさを決めた割にはまあまあちょうど良いくらいの大きさになったようです。実物にもいろんな形や大きさのものがあったらしいのでこれで良しとします。

ただ、たしかにこんな標識灯なんかつけるとせっかくのイマキュレート・コンディション  (immaculate condition) のハンサム (handsome) が台無し?になってしまうじゃないか! という英国鉄道人、鉄道ファン、模型趣味人の気持ちがわからないでもない気がします。

それでも実際にはこの標識灯をつけて運行していたわけですし、これはこれでカッコ良い、とてきとーいいかげんでいらんことしいの蕗狩軽便図画工作部シュレマル工房は、改めてそう思うのでありました。