蕗狩軽便図画模型工作部日記

ー シュレマル工房 覚え書き ー

オリハルコンは、真鍮のことだったというお話です

こんな記事を見つけました。

オリハルコンですよ、オリハルコン

RPG系のゲームやアニメ、漫画、小説で「神が与え賜うた最も硬い金属」という設定の希少金属で、高性能で高価な武器防具に使われるというあのオリハルコンのお話しです。

伝説の金属「オリハルコン」がついに発見される! 含有成分も判明、アトランティス大陸産の可能性も浮上! (2017年4月18日) - エキサイトニュース

読んでいくと、なんと……

オリハルコンの成分には様々な説があるが、現在学者たちの見解は、真鍮(黄銅)のような合金だったというもので一致している。真鍮は、銅と亜鉛をベースとした合金で、今回発見されたオリハルコンと思われる金属の塊も、75-80パーセントの銅、15-20パーセントの亜鉛、そして数パーセントのニッケル、鉄、鉛が含まれているという。」

つまり「真鍮(黄銅)のような合金」じゃなくて、銅合金の快削黄銅(黄銅に数%の鉛と微量の鉄や錫を加えたもの。快削真鍮。)そのものと言っていいかもしれません。

うーむ、これからは鉄道模型の真鍮製モデルはブラスモデルではなくて、オリハルコンモデルと呼びたいです。高級感というか希少性というかありがたみが全く違ってくる気がします。

ついでにブラスバンドオリハルコンバンドと呼べば、そのきらびやかさも格段に増すのではなかろうかなどとバカなことを考えてほくそ笑んでいる就寝前のひとときなのでありました。

が、しかし、ここでハッと気がつきました。

黄銅鉱 Chalcopyrite という鉱物が有ります(参考:三重県総合博物館コレクション解説)。

黄銅(真鍮)Brassとは組成が違いますが同じく銅合金?の一種です(正確には銅合金じゃ無くて化学式CuFeS2で表される硫化物です)。

確か黄銅鉱は黄鉄鉱と並んで「愚者の金」(fool's gold)と言う、とどこかで読んだのを思い出しました。検索したら、黄銅鉱 Chalcopyrite 鉱物たちの庭にもその話がありました。

黄銅鉱は精錬して亜鉛を加えれば黄銅(真鍮)になります。亜鉛を含む鉱石として産出されることも多いでしょう。どっちもよく似た見かけですし、黄銅鉱は天然の「神が与えたもうた」ものですし、オリハルコンと思われる金属の分析で分かったように鉄や鉛も含まれていますし、遥か昔、黄銅鉱も真鍮もひょっとしたら同じようにオリハルコンと呼ばれていたかもしれません。

となると……あのオリハルコンが、実は「愚者の金」だったなんて……なんと言って良いのやら……これラノベのネタにならないかな^^;

今夜こそはいい夢をみて安眠できますように……

 

追記;

銅合金については、その性質がよくわかるページを見つけたのでリンクを貼っておきます。

銅合金とは?銅合金の種類と特徴、銅合金の切削加工のポイント

銅合金の特性や加工工作の留意点がとてもよくわかります。

真鍮の旋盤加工は高速切削条件で行うのが良いなんて、今まで全く逆のことをしていました。

このページのサイトはじめの工作機械|エンジニアのための工作機械情報サイトの知識情報、蕗狩軽便図画模型工作部シュレマル工房の工作活動にもいつかそのうちきっと役立つに違いない、役立って欲しい、役に立つまでボケたり死んだりせずにいたい……などと……以下略 ^^;

しかし、警察官の事を「コップ cop」というのは、警察官の制服のボタンが銅製であったことに由来している、というのは知らなかったなあ。(三重県総合博物館 黄銅鉱 Chalcopyrite

の解説より)