この手万力は中学生のころ、たしか子供の科学で紹介されてたのを見て買い求めたものだと思います。我ながら物持ちの良さに感激。
小さな部品をやすり掛けしたりするときになかなかうまく指で保持できず、かといって卓上バイスを使うと思った方向からうまくやすりがかけられません。
そういう場合はこの手万力の出番のはずなんですが、ガタのあるアルミ鋳造製で止めネジが大きく飛び出ているのでどうも勝手が良くなく、ほとんど使わずじまいで40年以上放置プレイの状態でした。
先日たまたまジュエリー加工のお店で木製の手万力を発見。くさびを打ち込んで固定する方式でさすがジュエリー用、咥え口には皮が貼ってあって小さな部品も傷つけずにしっくり固定できます。円筒形に削ってあるので手にもなじみそうと迷わず購入。
握り心地は丸くてすべすべしていつまでも撫でさすっていたくな様な感触です。片方の先端が丸くもう片方が直線の咥え口になっていてどちらでもワークを咥えることができます。
ほんとに手にしっくりとおさまってこれなら快適にやすり掛けの作業ができそうです。プロはこういう道具をつかってジュエリーの細工をしていたんだなあとなんともいえない感慨にふけってしまいました。
調べてみるとこのタイプの手万力、ジュエリーの世界では伝統的なものらしくて30年以上も使ってますという宝飾関係の方のウェブページを発見。形が全く変わらないというのはそれだけ優れてこなれた道具なのでしょう。
これに限らず道具工具は昔からずっと使われているカタチのが結局使いやすくていちばん良いのではないかと思います。
その後同じ店でもうひとつもう少し小型のハンドバイスを買いました。
アンテロープ社製のハンドバイスです。顎が金属製なので板材などをしっかりとつかむことができそうです。
これも伝統的な構造そのままに洗練された形状にリデザインされたものでしょうが、なんといってもこの高級感?が魅力です。道具もこういう上品なデザインのがえもいわれずよろしいのでつい手を出してしまって半分後悔しながら満足しています。
ところで手万力は「てまんりき」と読みますが、手万は「しゅまん」とも読めます。仏語で「シュマン」は「道」なので鉄道は「シュマン・ド・フェール (chemin de fer)」(フェールは鉄)です。
ということでこの木製手万力、鉄道模型工作にもピッタリの道具だと思うのでありました。
いささか強引なこじつけですが、以上、余計なお世話の無駄話でした。
無駄話余計なお世話&いらんことしいバンザイ!