また腰を傷めてしまって焚き火にも行けないので、軽い本ばかり読んでいます。
去年の暮れに図書館のヤングアダルトコーナーで見かけて手を出した「墓守は意外とやることが多い」と言うラノベ、まあいかにもの今風異世界ファンタジー系のラブコメラノベでしたがなかなかおもしろく楽しめました。
書籍になっているのは2巻まで。続きはネットで現在アップされているところまで読み切って、ほかにもお気楽に読むものないかと漁りまくって、まず行き当たったのが、日向夏「薬屋のひとりごと」。
異世界ファンタジーものの一種ですが、転生ものでもRPG設定ものでもなく、古代中国を思い起こさせる世界の後宮に入り込んだ花街出身のワケあり薬師の娘がその知識と行動力を生かして謎解きその他に活躍する半分ラブコメのライトノベルです。
正月明けから足掛け3日2徹夜で読了しました。目が霞んで仕方ありません。それくらい面白かったです。
ちょっとした自然科学系雑学知識を上手く織り込んでいて、とても楽しく読みました。でも中盤からは守り人シリーズとか有り勝ち設定展開になってきてあーまたコレね感ありましたが、それはそれで楽しく読了。まだ続くみたいで楽しみです。
読み終わってまだ足りず、さらに面白いものはないかと検索。
ネットで評判のいいのはどれもこれも転生ものの2次創作集の強いものや女性向け今様シンデレラストーリーばかりで、おいおい、と困惑しながら行き当たったのが、中村 颯希「#無欲の聖女は金にときめく」。
お金が何より大好きな守銭奴少年がワケあり美少女と入れ替わってお貴族様の令嬢になるのですがその行動全てが徹底的に勘違いされて無欲の聖女として国中から讃えられる、という紹介文をみて、これならと読み始めて数ページで、なんだコレ、魔法ものかよ - -; と……
引き気味になりましたが、語り口のテンポが良いし設定面白いしひょっとして当たりかもとよみつづけることにし、4話目まで読んで、どうやら当たりらしいと確認。
目が霞むのは困るので、あまり長時間ぶっ通しは控えようといいつつ、今現在で30話まで読了。1話が長いので相当な分量です。
それにしても、この作者の語り口、ものすごく好みです。まあツッコミどころ満載ですし、オタク方面のジャーゴン的なものはほぼ封印ではあるものの、抑え気味とはいえいろんな意味でいちびり方がかなりのものだと思いますので、まあいろいろと言う方もおられるでしょうが、私は好み。特に挿話短編が最高です。
《閑話》レオとブルーノによる読み聞かせ 「桃太郎」
《閑話》レオとブルーノによる読み聞かせ 「マッチ売りの少女」
《閑話》レオとブルーノによる読み聞かせ 「ヘンゼルとグレーテル」
《閑話》 レオとブルーノによる読み聞かせ「灰かぶり姫」と「孫子兵法」
しかし作者の颯希という名前、蕗狩軽便の登場人物にも風季という名の娘がいるのですがこういう漢字の当て方もあるんだなと妙なところで感心しています。
追記;颯希って、さつきって読むのですね。颯は、風立ちぬ、という意匠文字?なのかな?
検索しなおしてみたら、どちらも紙の本で出版されているようでした。アニメ化される企画もあるようです。
このイラスト、薬屋のひとりごとの方はまあなかなか良いと思うのですが、無欲の聖女の方は完全にイメージ外してるとおもいます。私的感想です。でもちょっとだけ強調しておきたい気が……
ところでこういうラノベ、実は大変なところもあるのでしょうが、キャラが勝手に動き出してほんとに楽しく物語が紡ぎ出されているようなところもきっとあるんだろうなとおもいます。
こういう物語を創れる才能と言語能力が羨ましい限りですが、最近は特に記憶の引き出しの内容が貧弱な上に年齢と共に取り出す能力が著しく低下して来ているのを自覚していよいよ困ったことになって来ているので、余計にこういう風に物語を紡ぎ出して文章に固定できる能力に憧れます。
まずはとにかくなんでも良いからしっかりインプットする気力能力を回復させてからだなこれはと思っています。
追記:
検索してたら無欲の聖女のカバーイラストが巻を追うごとに変化しているのを発見。4巻目でまあなんとかかろうじてイメージ壊さずにいけてんじゃねという感じに……やっぱり読者とかからのフィードバックなんかもあるのでしょうか?
しかし、なろう系オタク読者に媚びた巨乳がもう完全に玉に瑕。
ちゃうでしょこれ、と言う感じしかないですね。もうちょっとなんとかしてもらえんものでしょうか。