蕗狩軽便図画模型工作部日記

ー シュレマル工房 覚え書き ー

第211回東京日曜地学ハイキングで貝の化石を採集してきました。

場所は、東京近郊で自由に化石採集が出来る数少ない場所のひとつ、立川駅の南に位置する多摩川の河原で、上総層群蓮光寺層という150万年まえの海の浅瀬に溜まった地層が露出しているところです。

白い貝殻の断面がたくさん見える河床をタガネとハンマーを使って掘ります。

河床にタガネを斜めに叩き込んで剥がすように砂岩の塊を掘り出します。中に大小の二枚貝、巻貝の貝殻がたくさん混じっていて、割と柔らかく脆いので手で崩せますが小さくて薄い貝殻の化石はとても脆くて一緒に崩れてしまいます。

大きな二枚貝も簡単に割れてしまうので、あとで同定する本格的な採集ではその場で砂岩を落とせません。ただ、アカニシという大型の巻貝は丈夫でほぼ完全な形のまま沢山採集出来ます。

たまたまアカニシが集まっている場所に当たったらしく、お隣におられた親子連れに砂岩に埋まった状態のものをあげたら喜んでくれました。

他の小型の巻貝や二枚貝も幾つかほぼ完全な形で採集出来ました。

頂いた案内書の絵とてらしあわせてみたら、サガミシタダミ?、ウミニナ?、クチベニ?、イトカケガイの仲間?、サルボウ

大きいのはカガミガイでしょうか?

化石がこんなにすぐ生活している側で採集できるなんて、体験して不思議な気分になります。きっと子供の頃などにこういう体験をして研究の道に入る人もいるだろうなと思います。

河原の石の講義もありました。

河原ですから丸く削られた石ばかりですが、放散虫由来の珪酸質の硬くて緻密な堆積岩のチャートもあり、火打鉄(ひうちがね)をこれに打ち付けて出来る火花で着火するということで、江戸時代の本物の火打鉄と火口用にガマの穂を崩したものでやり方を見せていただいたのは興味深かったです。火口にはすすきの穂やガマの穂を墨汁で染めたものなども使うそうです。

今回も、知らないことを体験できてとても楽しく勉強になるハイキングでした。

東京日曜地学ハイキングの先生方、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。