アガサ・クリスティー原作「オリエント急行の殺人事件」は、これまで3度映像化(日本のTVドラマ版を除く)されています。
最初の作品は、映画「オリエント急行殺人事件 (1974年)」
2つ目が、TVドラマ「名探偵ポワロ」シリーズ の 「オリエント急行の殺人」(2010年)
です。
3つ目の2017年公開映画「オリエント急行殺人事件」は、最近の大物俳優を集めたくさんのお金をかけて映像もそれなりに凄いしアクション場面も豊富な楽しめるとても今風の映画でした。
でもなんか物足りなくて1974年版の映画DVDを引っ張り出してきて鑑賞。さらにTVドラマ版も探し出して鑑賞。3本見比べるという贅沢な鑑賞をしました。疲れました^^;
作品として一番楽しめたのは1974年版、作品として凄いなと思ったのはTVドラマ版、2017版はとてもよくできていて精細で迫力のある映像もアクションシーンも俳優の演技もアレンジされたストーリーも十分に楽しめたのですが前の二つと比較されてしまうと……というところでした。
詳しくはこちらのページに詳しく解説されていますので、ネタバレでよければどうぞ。(3つの映画を鑑賞してから見ることをお勧めします。)
もちろん蕗狩軽便図画模型工作部が一番興味を惹かれるのは、舞台として使われたCIWL (Compagnie internationale des wagons-lits 国際寝台車会社)の車両とそれを牽引する蒸気機関車です。
2017年版は、使った客車を全て新造したそうです。凄いです。車両の編成は荷物車+食堂車+寝台車+特別車(展望台付きバーサロンカー)。ワゴンリの展望車って実物にはあったのでしょうか。
解説には「細部の調度品までこだわり完璧に整えられた……」と書かれていましたが、箱根ラリック美術館に展示されているプルマンカーの内装とはかなり違うように思いました。本物のプルマンカーの内装が特別すぎるのかもしれません。
牽引蒸気機関車は本物です。これはフランスの Est 241 A 65 だそうです。大きくてなかなか美しい機関車です。Est 241 – Wikipedia
1974年版に使われたCIWL客車は本物です。編成は荷物車+食堂車+寝台車+サロンカー。牽引する蒸気機関車ももちろん本物です。不動状態でリストアのための資金を募っているそうです。230 PO 4201 à 4370 — Wikipédia
巴里のキオスクから: 映画『オリエント急行殺人事件』(1974)に登場した車両にはこれらの車両がパリで公開展示された時の様子が紹介されています。
本物の車両を使っているだけあってCIWLの豪華な内装がこれでもかというくらい楽しめます。眼福々々。鉄道模型ファンには堪えられません。
TVドラマ版に使用された編成はよくわかりません。映像で見る限り本物のCIWL車両ではなく、英国のプルマンカーを塗り替えてそれらしくしたものか、古い時代の寝台車の内部を舞台に使っているように見えます。
それでももともと英国側のオリエント急行として運用されていたプルマンカーや上等の寝台車を利用しているのでしょうから内装は素晴らしいですし雰囲気はとってもよくて、上手なと感心します。
蒸気機関車はよくわかりません。デフレクターがありませんしフランス型蒸気に似た英国の機関車だと思います。そのせいかイスタンブール駅の発車場面でも雪に突っ込んだ場面でもほとんど一部分しか見えないように撮影されています。
ということで、どれも数少ない手持ちのCIWLコレクションでは再現できない編成ですが、1974版の編成をイメージして編成を組んでみました。
NゲージはC57お召しとC50を牽引機にしてみました。
HOゲージの方の機関車はSNCF 231Eです。