ウォームギヤについては、ヘリカルギヤを組み合わせるのは邪道だという話とか、平歯車にウォームの軸を斜めに配置して使うアイデアがすごいとか、いろんな話題があって楽しいです。
歯車の設計や実装の話は実用機械とか力がかかったり耐久性を要求される用途には重要なことだろうと思いますが、軽小短薄な用途やおもちゃなどにはあんまり考慮されていなさそうだし実際気にする必要ないレベルの話のような気がします。
その辺どんなふうに扱われているのかな、と思って知育教育玩具の代表選手レゴの場合はどんなんかな〜とテクニックパーツのギヤを取り出してきました。
ウォームギヤとの組み合わせを並べるとこんな感じですが、実は平ギヤは基本部品の穴空きパーツで出来る軸距ではウォームと噛み合わせることが出来ません。レゴテクニックの部品を上手く組み合わせて使えば噛み合わせられますが噛み合い方にはかなり無理があります。
無理なく噛み合うのはクラウンギヤと傘歯車状の平ギヤでどれも歯先が尖って薄くなっています。1つの点または線で接する組み合わせなら大丈夫ということなのでしょう。レゴはそういう方法で適切なギヤ組み合わせを誘導しているのかもしれません。
ちょっと気になってネットを検索してみたらこんなページが見つかりました。東京大学レゴ部のブログですね。
下はそのウォームギヤについての記述です。ワームギアって書いてありますが、英語の発音に近いとかそう言う理由なのかな?
これはうまくレゴテクニックのパーツを利用して平ギヤと噛み合わせていますが噛み合わせにはかなり無理があります。擦れて削れることは意識しているようですが平ギヤの歯とウォームの捻れ角の関係については気にしていないみたいです。
他のレゴ関連のページも見てみましたが噛み合わせのことについて触れたものは見当たりませんでした。
まあ、レゴの場合は組み立てて実験して遊ぶのが目的に近いわけで、大きな力がかかるわけでもなく連続して長時間動かすこともないので実用上ほとんど問題ないし、気にすることもないと言うことかもしれません。
ただ、上に記したように基本部品の穴空きパーツでは普通の平ギヤではなくクラウンギヤか薄い刃先のギヤと組み合わせざるを得ないような設計がされているのは流石レゴと言っても良いのかなと思います。
追記;
おもちゃなどの汎用部品として使われている白POMギヤはどうなんだろうと調べてみたら、教育歯車のカタログには金属ウォームとPOMホイールの組み合わせがありますが、POM製のウォームは見当たりませんでした。
ただ、汎用のPOM製ウォームは普通に販売されていますし、おもちゃなどにはPOM製ウォームとPOM製平ギヤの組み合わせが普通に見られますが、そのあたりの基準は良くわかりません。