蕗狩軽便図画模型工作部日記

ー シュレマル工房 覚え書き ー

臨時おもちゃドクターになって壊れて音が出なくなった30年前のキーボード玩具の修理をしました

30年前、インドネシアのバリに住んでいた頃、娘にねだられてマタハリデパートかティアラデワタで買ったキーボード玩具です。どうぶつの鳴き声の音でキーボードが弾けたりします。

今でも娘のお気に入りで、持ち帰って子供たちに遊ばせていたのですが、キーボードの上に転んで踏み付け、幾つかのボタンと鍵盤の音が出なくなってしまいました。

直せないかな?と相談されて、ダメ元でということで修理してみました。

本体を振るとカラカラと音がします。開けてみたら、キーボードのスイッチを配したプリント基板が割れていました。当然割れ目で回路が断絶しています。ボタンスイッチの部分に大きな力が掛かって割れてしまったようです。

割れたカケラをエポキシ接着剤でくっつけ、プリント配線を繋ぎます。

このプリント配線、銅ではなくて思うようにはんだが流れてくれないのには困りました。基板の歪みで割れ目に段差ができてしまっているため上手くはんだを盛って繋ぐことができず、途中から真鍮線を使ってジャンパしました。なんか要領の悪い汚い工作が恥ずかしい……

一応、導通を確認して仮組みします。基板もケースも固定ネジの本数が異常に多いのにびっくりです。今ならほとんど嵌め込み構造だと思うのですが、この頃の製品は過剰なくらいしっかりしたねじ止め構造で、手間は掛かりますが割と容易に分解修理出来る設計になっているのがありがたいです。

電源を入れて確認したら、プリント基盤の割れ目にかかっていたボタンスイッチ以外は元通り音が鳴るようになりました。良かった!

孫たちも気に入っていたおもちゃのようだったので、まだまだ役に立ってくれると嬉しいです。

✖️印が付いているのが音の出ないボタン。他はみんな大丈夫です。

載せてあるテーブルも娘が子供の頃のもので、折り畳み脚が壊れて外れてしまっていたのを一緒に修理しました。

初めて気がつきましたが、フランス語で、「一緒にいて楽しい人」、「あなたに幸せを」って書いてあるのですね。なかなか可愛いテーブルです。

 

Bトレイン、三陸鉄道 「キット、ずっと号」組み立てました

もう増やさないと決心していたのですが、桜の季節、Bトレインショーティーの2両編成ラッピングでんしゃが可愛いくて、うっかり「三陸鉄道 36形 キット、ずっと号」をポチってしまいました。

例によって例のごとく何故かストックパーツ箱から出て来たKATO小型動力ユニットと台車を組み込んでNゲージ化。

動力ユニット、台車の取り付けは、アーノルトカプラーを根元から切り飛ばし、オリジナルのマウントと連結器を利用します。その方が丈夫で手荒な扱いに耐えられます。

これで4種類のラッピングでんしゃができました。小さなエンドレスでクルクル走らせると楽しいです。

 

♩オ、パッキャラマド、パッキャラマド、パオパオパパパ!は、壊れたクラリネットの音じゃ無かった、という話です

ご存じ、童謡「クラリネットを壊しちゃった」のリフレインですが、これ、元はフランスの軍歌だと知ってちょっとびっくり。

しかもその曲名が「 玉葱の歌 」で、その由来が、フランス帝国軍のオーストリアとの戦闘直前の食事でナポレオンに、「お前がパンに塗りたくっているのはいったい何だ?」と訊かれた擲弾兵が、「玉葱です!栄光への道への確かな歩みの為に!」と言ったから……で、歌の内容も揚げた玉葱、フライドオニオンが大好きって事しか言ってなくてもっとびっくり(文末参考1参照)、というか呆れてしまいました。なんやねん、それ……

でその、♩オ、パ、キャラマド、オ、パ、キャラマド、オ、パ、オ、パ、オ、パ!と言うリフレインの、「オ、パ(au pas)」は、直訳では「歩みで」ですが、軍隊用語で「前進!」の号令だそうで、キャラマド(caramades)は「同僚、仲間、友」なので、「オ、パ、キャラマド(au pas camarades)」で、「戦友よ進め!」という意味になるのだそうです。

それは兎も角、要するに、「クラリネットを壊しちゃった」の、♩オ、パッキャラマド、パッキャラマド、パオパオパパパ!は、メロディーも歌詞も「玉葱の歌」のリフレインほぼそのまんまだったというわけで、壊れたクラリネットの音なんかじゃなかったんだとわかってまたびっくりでした。

じゃ、なんでこのリフレインなんだろう、と「クラリネットを壊しちゃった」の元のフランス語の歌詞(文末参考2参照)を見たら、どうやら……

ボクがクラリネットの音を(上手く)出せないことを知ったら、パパは、きっと囃し立てて、踊り方(吹き方、クラリネットの扱い方)がわかってないんだ!と揶揄うだろう。それから、一歩ずつだよ一歩ずつ、息子よ!一歩ずつ、一歩ずつ、やるんだよ!(パパと一緒に)練習するんだよ!って言うだろう。という内容の歌みたいです。

「一歩ずつだよ一歩ずつ、息子よ!」が♩オ、パッキャラマド、パッキャラマド、パオパオパ!のリフレインに当たります。

* 以上、原曲題名は勿論、原語歌詞ではクラリネットが壊れた、壊しちゃったとはひと言も言っておらず、「オ、パ」は直訳だと「歩みで(一歩ずつで)」と言う意味になるということで、かなり強引な意訳、解釈(by 蕗狩軽便図画模型工作部シュレマル工房)でした。*

つまり、「クラリネットを壊しちゃった」の、♩オ、パッキャラマド、パッキャラマド、パオパオパパパ!は、水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」の、♩い〜っぽ進んで二歩下がる〜!に当たるのかな、と……そう考えると、なんかちょっと愉快です。

それにしてもフランス人のセンスって不思議です。この軍歌「玉葱の歌」のちょっとありえないくらいのいいかげんさ、陽気さもそうですが、フランス国歌の歌詞の血生臭いこと……(文末参考3参照)。コイツら国際的イベントのセレモニーとかでこの歌詞、大声で歌うとるんかい?と……以下略……

話をもどして、"J’ai perdu le do de ma clarinette" を「クラリネットを壊しちゃった」にし、リフレインを敢えてそのまま訳さず♩オ、パッキャラマド、パッキャラマド、パオパオパパパ!とした、シャンソン歌手の石井好子さんは、すごく巧みにこの歌を日本人好みにアレンジして作詞したのだなあと感心します。

 

追記その1;

検索していたら、この「玉葱の歌」、アニメ「ガールズ&パンツァー」にも登場していて、「クラリネットを壊しちゃった」の元歌とだいう知識は、アニメファンの間では常識なのかも知れません。若者の文化教養を育むに当たってのアニメの位置付けは想像以上に高いと言って良いでしょう。知らんけど。

youtu.be

 

追記その2;

 「玉葱の歌」3番の、「♩だがオーストリア人にやれる玉葱はない!、犬どもにやれる玉葱はない!」という歌詞ですが、確か玉葱って犬に食べさせると毒になったはず。

だとするとひょっとして、フランス帝国軍はオーストリア人=犬に対して毒を与えることなどしない、我々はとても気を遣い人道的?に振る舞うのだ!と歌っている、とも解釈できます。

まあ勘ぐりすぎだと思うしオーストリア人を犬と言っている時点で話にならんのかもしれませんが、フランス人のひねくれたユーモアならありそうな気がしないでもありません。

知らんけど……

 

 

参考1;「玉葱の歌」歌詞(玉葱の歌 - Wikipediaより引用)

  フランス語歌詞 和訳(非公式)
1. J'aime l'oignon frit à l'huile, 玉葱を油で揚げたものが好き
J'aime l'oignon car il est bon. 玉葱は美味しいから好き
J'aime l'oignon frit à l'huile, 玉葱を油で揚げたものが好き
J'aime l'oignon, j'aime l'oignon. 玉葱が好き 玉葱が好き
Refrain: リフレイン
Au pas camarades, au pas camarades, 進もう戦友よ 進もう戦友よ
Au pas, au pas, au pas, 進もう 進もう 進もう
Au pas camarades, au pas camarades, 進もう戦友よ 進もう戦友よ
Au pas, au pas, au pas. 進もう 進もう 進もう
2. Un seul oignon frit à l'huile, 油で揚げた玉葱1個だけで
Un seul oignon nous change en Lion, 玉葱1個で獅子にもなれる
Un seul oignon frit à l'huile, 油で揚げた玉葱1個だけで
Un seul oignon un seul oignon 玉葱1個で獅子にもなれる
Refrain リフレイン
3. Mais pas d'oignons aux Autrichiens, だがオーストリア人にやれる玉葱はない
on pas d'oignons à tous ces chiens, 犬どもにやれる玉葱はない
Mais pas d'oignons aux Autrichiens, だがオーストリア人にやれる玉葱はない
Non pas d'oignons, non pas d'oignons 犬どもにやれる玉葱はない
Refrain リフレイン
4. Aimons l'oignon frit à l'huile, 油で揚げた玉葱を好きになろう
Aimons l'oignon car il est bon, 美味しい玉葱を好きになろう
Aimons l'oignon frit à l'huile, 油で揚げた玉葱を好きになろう
Aimons l'oignon, aimons l'oignon 玉葱を好こう、玉葱を好こう
Refrain リフレイン

 

 

参考2;「クラリネットを壊しちゃった」元歌詞

J’ai perdu le do de ma clarinette
J’ai perdu le do de ma clarinette
Ah si papa savait ça, tralala
Ah si papa savait ça, tralala
Il dirait Ohé, il chanterait Ohé
Tu connais pas la cadence
Tu sais pas comment ça se danse
Tu sais pas danser au pas cadencé

Au pas, camarade
Au pas camarade
Au pas, au pas, au pas
Au pas camarade
Au pas camarade
Au pas, au pas, au pas.

J’ai perdu le ré de ma clarinette
J’ai perdu le ré de ma clarinette…

 

参考3:フランス国歌 歌詞和訳(ラ・マルセイエーズ(日本語訳・カタカナ読み・Karaoké)|フランスオペラの楽しみより引用)


《1番》
さあ、祖国の子らよ、栄光の日は来た!
我らに対し、血まみれた横暴な旗が掲げられた
聞こえるか、戦場の野蛮な兵士たちの唸り声が?
奴らは君たち(我ら)の腕の中まで来て、君たち(我ら)の息子や妻を殺す気だ

《リフレイン》:各節の最後で繰り返し
武器をとれ、同志たちよ、隊伍を組め(隊伍を組もう)
進め、進め!(進もう、進もう!) 汚れた血が、我らの畑を濡らすまで!

《2番》
何を求めているのか この群衆 ー 奴隷や卑劣者、謀略を企む王たちは?
誰のために この卑劣な足枷、鉄鎖は 長らく準備されていたのか?
我らフランス人のためだ ああ! 何という侮辱
激昂せずにはいられまい!
奴らは我々を 昔のような奴隷にしようと企んでいるのだ

《3番》
なに! 外国の軍勢が 我らの故郷を支配するだと!
なに! 金で雇われた兵隊が 我らの勇敢な戦士を打ち負かすだと!
そんなわけはない! 我らが手を鎖に繋がれ 槍門の下で屈服し
卑劣な暴君が 我らの運命の支配者になるなんて!

《4番》
震え上がれ 横暴な背信者たちよ 全ての政党の恥辱よ
震え上がれ おまえたちの弑逆の企ては 最後に報いを受けるだろう!
我ら全員が おまえたちと戦う戦士だ
たとえ若き英雄が 倒れたとしても 新たな英雄が祖国に生まれる
おまえたちとの戦いの準備は すべて出来ている!

《5番》
寛大な戦士たるフランス人よ 攻撃するも 時にはそれを制止せよ
心ならずも我らに武器を取った 哀れな犠牲者たちは 容赦せよ
しかし殺戮を好む暴君たち ブイエ将軍の共謀者たち
これらの情け容赦ない残酷者たちは 己の母の胸を引き裂いているのだ

《6番》
祖国への神聖なる愛よ 我らの復讐の手を導き 支え給え
自由よ 最愛の自由よ そなたの支持者である我々とともに 闘い給え
我らの旗の下 そなたの堂々たる調べの許に 勝利が駆けつけんことを
瀕死の敵は そなたの勝利と 我らの栄光を見るであろう!

《7番》(児童合唱用)
僕たちも やがて入隊しよう 先達がそこに居なくなったときには
僕らはそこで見つけるだろう 彼らの亡骸と 武勇の跡を
生きることに執着するよりも 共に死ぬことを選んだ
僕たちも 気高い誇りを抱こう 彼らの仇を討つか 後を追うのだ!