「幼女戦記」、アニメの原作はどうなってんのかなと読み始めたのだけれど、結構マジものの架空戦記好き向けっぽかったりして……
目が霞む体調ではちょっと無理かなと2巻目に入ってまもなく、積読に突入してしまいました。
気分を一新しようと、マーダーボット・ダイアリーシリーズの翻訳4巻「システム・クラッシュ」が発売になったのを知って、慌てて入手。
わくわくしながら読み始めたら、この作品、時系列的に第3巻の続きじゃなくて第2巻(長編「ネットワーク・エフェクト」)の続きなので読んでない人は論外。よく覚えてない人の為に編集部が親切心全開で、なんと冒頭8ページにわたってあらすじを掲載してあるのでそれを読んでしっかり予習し記憶を呼び覚ましてから本編に取り掛かってね、という至れり尽くせりのつくりの文庫本なのですが……
なんということでしょう!?そのあらすじを読んでも何が何だかさっぱりわかりません。なんとなくそういう場面があったようななかったような、くらいの記憶しかなくて焦りました。あんなに気に入って面白くて夢中で一気読みしたように覚えているのに、いったいどうしたん?ワシのアタマ???
なんかすごいショックに打ちのめされながら、再度第4巻を最初から再読し始めたら、これが初めて読むくらいに面白くて感動。
もちろん読んでいくうちにストーリー展開が記憶から呼び覚まされてくるのですが、それよりもストーリーを展開するにあたってのディテール、描写の巧みさ面白さに引き込まれるというか。翻訳の妙もあるのでしょうが、これが娯楽小説読書の醍醐味だよなあと心の底から得心も感心もしながら読み進めている最中です。
もちろん、愛憎ドロドロの人間ドラマは大の苦手なので、そういう面での人間の機微や心理描写の表現の巧みさの話では決してありません。そもそもこのシリーズどちらかというとジュヴィナイル(少年向け)系冒険小説的な作風、古くはアンドレ・ノートンの「太陽の女王号シリーズ」と似た雰囲気を感じるのも魅力を感じるところです。
そんなわけで、第4巻「システム・クラッシュ」を読み始めるのは当分先になりそうです。
追記;
小説や映画などの作品のあらすじ、ダイジェストを紹介する情報は沢山あるけれど、それでその作品が面白いか、楽しめる作品かの判断は難しいと、今回、つくづくと感じました。
ネタバラしで楽しめなくなる作品、価値が落ちる作品(ミステリー含めて)は、ひょっとしてあまり名作?ではないのかもしれないという気がしてきました。面白い(あえて”感動“とは言わない、言えない)作品は、何度読み返しても面白くて楽しめますから。
蛇足余談;
ジュヴィナイルでふと思ったのですが、日本で一般に評価が高い?と言われる児童文学って、なんで揃いも揃って戦争反対差別反対啓蒙?の暗〜い内容かそういう要素をこれ見よがしに盛り込んだ読んでてちっとも面白くない読書が嫌いになるような話ばかりなんだろうという気がするのは、思い過ごしなのかよくわからないです。