川崎市麻生区にある新百合ヶ丘総合病院では、一般人向けに定期的に医学健康講座を開催しています。
病院各科の医師が講師を務め、それぞれ専門のテーマでわかりやすく、受診にも役立つ角度からの情報提供にも配慮されたお話のほか、救急、応急手当てなど家庭でも役立つ知識などのテーマなど、一般人にとても役に立つ講座です。
今回は、血液内科、久保田靖子先生の「ここまできた!がんの治療」〜化学療法を中心に〜 という講義を聞いてきました。
講義の内容は、⒈ がんとは、⒉ がんの疫学、⒊ がんの治療、⒋ 化学療法の進歩、⒌ がんの治療 大切なこと、でした。
講義の中から、記憶に残ったことをいくつか……
がんの治療には、手術療法、放射線治療法、薬物療法の3つの方法がある。講座タイトルにある「化学療法」というのはいわゆる抗がん剤を使用する薬物療法のことで、悪性リンパ腫のような血液に関わる癌に適用される。
薬物療法の治療薬としては、分裂増殖が盛んな細胞を攻撃する細胞障害性抗がん薬、遺伝子異常に対応し標的を持つ細胞を攻撃する分子標的薬、がん細胞の免疫逃避に対応し免疫系に作用する免疫療法薬があり、それぞれのがんのタイプに応じてそれらを組み合わせた標準治療法(現時点で副作用が少なく良好な治療結果が確認されている治療法)が定められている。
免疫療法は、最近オプジーボで話題になった治療方法だが、それが何にでも効くということではない。
化学療法の副作用は薬の進歩で随分と軽減されてきた。副作用は通常ピークを過ぎれば治る。吐き気、悪心その他を軽減する薬も開発されているので上手く利用する。
インフォームドコンセントは、患者が医師の治療法説明(義務)に納得、承認(権利)すること。それ以上でもそれ以下でもない。これがあって初めて治療が始まる。
患者と医師のコミュニケーションの重要性。悪い知らせを伝えるスキルなどのトレーニングが行われていて、ロールプレイトレーニングで適切なコメントをしてくれる有名な擬似患者役の方がおられる。
細胞障害性抗がん剤の副作用として粘膜などの再生を阻害するため、感染症の原因となる場合もある。口腔ケアは特に重要なため、医科歯科連携事業が行われている。
現在、化学療法はほとんどが外来治療(初回のみ入院観察)で行われる。
化学療法は点滴で行われるが、血管に負担が大きい場合は、静脈にカテーテルを入れ薬剤投入口を設置する化学療法サポートが行なわれる(欧米では普通に行われている)。
標準治療に関する情報は下記サイト参照
日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG:Japan Clinical Oncology Group)
治療開発マップ | 日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG:Japan Clinical Oncology Group)
がん治療に係る口腔ケアに関する情報は下記サイト参照
追記;
知らなかったのですが、この医学健康講座にはスタンプカードがあって、なんとスタンプ数でPET-CT3割引券ほかオリジナルグッズが貰えるとのこと。ちょっとびっくりしました。
ほかにも、プラネタリウムクリエイター大平貴之さんのプラネタリウム上映会や、新百合ヶ丘鉄道模型クラブの「鉄道模型とジオラマの世界」展示などのイベントもあるようです。継続定期受診の方やご近所の方などには嬉しい催しですね。
体調管理;
だるさ体力低下憎悪、排尿障害憎悪、味覚障害憎悪、甘みがよくわからない。困った。