本棚に放り出してあったワルシャート式弁装置(ピストンバルブ)構造模型がふと目に止まりました。
ひさしぶりに動かしてみようと、ちょっと動輪を動かしたらピストンバルブがひっかかり、バルブギヤのピンが外れてしまいました。
見れば関節ピンの頭が飛んでいました。応急処置して再度動かそうとしたら今度は加減リンクの軸が折損。これも真鍮線を植えて修理して、今度こそはと回し始めたら、なんと動輪のリターンクランクが付いたロッドピンがポキリと……
こうなると流石にどうにもならず、廃棄してゴミ箱へ。結構明るい部屋の窓脇にある本棚だったので、約2年で材質的にかなり劣化が進んでいたのでしょう。
太い部分はまだまだ丈夫で折れるようなことはなさそうですが、細い部分での影響は大きいようです。平らに置いていなかったこともあって、よく見るとフレームにも反りが出ていました。
60℃で柔らかくなる生分解性PLA樹脂ということもあるのでしょうか。ABS樹脂だったら大丈夫だったのでしょうか。光硬化樹脂の場合も経年変化や劣化が見られるという話も聞いています。
どちらにしろ現時点での家庭用の3Dプリント造形品は長く保つようなものではなさそうなので、そのつもりで利用しなければいけない性質のものだと感じました。
家具雑貨や工作補助具など自分でプリントアウトしたものは、データがあるのでまた欲しくなったらプリントアウトして差し替えれば良いだけですが、プリントアウトした後にいろいろ複雑な加工をしたものは困りそうです。
ある程度大きなものなら2、3年で劣化してダメになるということもないでしょうが、細い部品や薄い肉厚の繊細な構造の模型などの場合は諦めておいた方が良いのかもしれません。