蕗狩軽便図画模型工作部日記

ー シュレマル工房 覚え書き ー

子供の頃「ナイキンギョ」と教えてもらったのは「ホウネンエビ」だったのかもしれないというお話です

小学生の頃、近所の空き地の水たまりには、カエル、オタマジャクシのほか、アメンボ、ミズスマシ、タイコウチのような虫のほか、両脇の櫛の様なヒレをひらひらさせて泳ぐ得体の知れない魚のような虫のような生き物がいました。

一緒に遊んでいた年上の男の子が、「これはナイキンギョいうんや」と教えてくれました。

空き地がなくなってからはそれっきりその「ナイキンギョ」を見ることはなく、正式な名前もわからないままでしたが、よほど印象的だったのでしょう、大人になってからも時々その泳ぐ姿を思い出し、アレはどういう生物だったのだろうと考えることがありました。

テレビでバージェス動物群のアノマロカリスやオパビニアが紹介された時は、あ、似ている!とびっくりしましたが、そんなものが生きているわけがありませんし。ただカブトガニカブトエビみたいな例もあるから似たような生物がいるのかもなどと思って変な興奮の仕方をしたりしました。

ところが先日、たまたまネットでカブトエビのことを調べていたら、「ナイキンギョ」のイメージ近い生物の画像が一緒に出てきました。緑色の体色がもっと透明で両脇の櫛状のヒレが赤っぽかったらほぼ覚えているイメージのままです。

出典;ホウネンエビ/幸手市

画像の生物の正体はホウネンエビ。田んぼに発生すると稲がよく稔るという生物です。カブトエビは草取りなどに効果があるそうですが、ホウネンエビはそういうことは無く、初夏の一時一斉に発生して産卵するとすぐ死滅し、乾燥に耐える卵で冬を越します。

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脚の動きがヒレのように見えていたのですね。体色については生育する環境で多少変化もあるようです。

子供の頃から頭の片隅にあった疑問が解けて、なんというかとてもいい気持ちです。

少し年齢が上がった頃は農薬全盛の時期だったのでこういう生物を頻繁に見かけることも少なかったのだろうと思います。

身体が回復したら、改めて近くの田んぼを観察しに行ってみようと思います。