蕗狩軽便図画模型工作部日記

ー シュレマル工房 覚え書き ー

道具工具は正しい持ち方使い方をすべきだと言われますが、この「正しい」ってどういうことなのだろうと、ふと考え込んでしまいました

箸やナイフ、フォークなどのカトラリー始め食器には一般的に正しいというか美しい持ち方使い方があって、それは作法やマナーとして教えられたり自分から学んで身につけるもののように思います。

でもそれに従わなかったからと言って、食べる(食べものを口に運ぶ)のに特に大きな問題も違いもないだろうし物理的に怪我をしたり死んだりするような危険はそうありません。社会的にどうかは知らんけど^^;

でも道具工具の場合は、刃物の場合は特に、適切な持ち方使い方をしないと上手く使えずに良い作業ができなかったり怪我をする危険が高くなります。プロの仕事、複雑な機械、大きな力で作業する機械などでは正しい使い方をしないと命に関わることもあるでしょう。

蕗狩軽便図画工作部シュレマル工房のような素人趣味レベルでも、刃物始め各種手工具を上手に使うことができずに、精密で綺麗な作業には程遠い工作になってしまいがちです。

考えてみれば道具工具の使い方を教えてもらった記憶があるのは中学校の技術家庭科の実習くらいで、その他はほぼ雑誌や本の解説を読んでの試行錯誤です。だからネットのページや動画などで様々な方々の持ち方使い方を見てびっくりしたり感心したり真似させてもらったりすることばかりです。

そこで感じるのは、道具工具には良い作業結果と危険防止のための適切な持ち方使い方(逆に言えば、してはいけない持ち方使い方)はあっても、こうでなければならない正しい持ち方使い方というのは無くて、人によって、そのクセや好みによって、作業の目標目的によってそれこそ千差万別ということです。

もちろん技術指導書や教本などで示されている、理論と経験に基づく正しい(適切、合理的、危険防止、エラー防止として)持ち方使い方や注意事項は基本中の基本ですが、危険防止以外はこうでなければならないというものは無いのだと思います。

そこがカトラリーやその他社会的マナーに関わる装具や什器備品などの扱いと違うところだと思います。

考えてみたら、そもそも使うにあたって期待されるのが、工作道具工具は作業の結果、カトラリーは作法マナーに沿った美しい所作、と全く目的が違うのだから当たり前のことです。

ところで、蕗狩軽便図画工作部シュレマル工房は、各種の道具工具をどんな持ち方をしているのだろうと写真を撮って並べてみました。きっと他人から見たら不思議な持ち方もありそうです。

糸鋸は普通には中指で軽く薬指と小指でしっかりと握りますが、刃を垂直にしない方向でちょこちょこと細かい動かし方をするときは親指と人差し指を伸ばして握りとツルに添えていたのに気づいて自分でびっくりしました。

ネットで工芸職人さんや機械加工職人さん、プロモデラーの方達の道具工具の持ち方使い方をもっとよく観察して真似してもうちょっとくらいは上手に工作できるようになりたいものです。

追記:

余談ですが、以前作業服を着て保護メガネをかけた綺麗な女性がコテのヒーター部分を鉛筆持ちして作業しているはんだ付け作業イメージ画像を思い出しました。

makezine.jp

こういうのはさすがに困ると思いますが、さりとていきなり馬鹿にするのもどうかと思います。現場技術知識経験に縁遠いマナー講師さんみたいな方が、PR画像としてはんだ付け作業をいかに美しく綺麗に見せるかということに集中して一所懸命考えて振り付けをした結果、こういうことになってしまったのではないかという気がしないでもありません。