蕗狩軽便図画模型工作部日記

ー シュレマル工房 覚え書き ー

鉄道模型の屋根上のウェザリングのこと

ホームへの階段を下りているときに、ロマンスカーVSEが停車しているのが目に飛び込んできました。

その屋根上のきたなく汚れていること・・・・こんなにもよごれるものなのだろうか?と階段の途中で思わず立ち止まり、携帯を取り出して写真を撮りました。写真では目立ちませんが実際は相当の汚れです。

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純白のロマンスカーVSEも、上から見たら茶色いシミや得体の知れない汚れが一面にあばたのように飛び散って、まるでスラム街のバラック建築の屋根を見るよう。なんだかげっそりしてしまいます。

リアリスティックな鉄道模型を目指してウェザリングすることを至上とされている実物系スケールモデルファンの皆々様は、こういう汚れも忠実に再現してこその究極のリアリズムだと考えているのかどうかとても興味がわきました。

私などは、おもちゃといわれようがなんだろうが、ロールアウト直後のぴっかぴかの状態や適度なアクセントとして薄化粧的にぼかしたような汚れを纏ったくらいが好みなんですが、それではお世辞にもリアリスティックとは言えないでしょう。みなさんどう思われているのでしょう。

実物の車両なんか、真新しいものでもすかして見たらどこもかしこも波打ったりゆがんだりしているし塗装も乱れているのが当たり前ですけれど、模型では異常なまでの平面性やゆがみのなさ、均質な塗装が理想とされ、それが鉄道模型コンペなどの評価基準の最大要素やアマチュア鉄道模型スケールモデラーが目指す車両模型工作技能の至高の目標となっているように感じます。

このこと一つをとっても、模型としての鑑賞価値とリアリズム追求との間には絶望的なほどに相容れない隔たりがあるように思うのですが、特に実物鉄道趣味をベースとする主流正統派、リアリズム追求派のマニアさんたちはこのあたりの整合性をどのようにとられているのか、とっても興味のあるところです。