Konno-sendai氏のブログでナローコッペルマレーの製作記事を眺めていて、後部カプラーにもう少しコンパクトなのがあれば、と考えてみることにしました。
見たところ求められているのは、
1. マグネマティックカプラーと連結可能
2. 小さなカプラーポケット(台座)に装着
3. 急曲線対応首振り構造
の3つの要素です。
このうち2と3はカプラーポケットとの兼ね合いがあるので後回しにして、1 のマグネマティックカプラーと連結可能な形状に集中して検討します。
まず考えたのがマグネマティックカプラーのナックル部(指4本を曲げた部分)のみを使う方法。
ナックルの形状をアレンジして作図し3Dプリンターで出力。数回の試作修正を経てぶつけると連結し容易には解放しないような形状に落ち着きました。これなら前側と同じカプラー台座に短く目立たない形状で連結可能なカプラーヘッドを取り付けられそうです。
ただ、形状が不満です。古典ナロー蒸気にナックルカプラーまがいのモノを取り付けるのはやっぱりどこか違和感があります。
そこで、蕗狩軽便図画工作部シュレマル工房は考えました。
先につくったカプラーヘッドの構造をよく観察すると、マグネマティックカプラーと連結するのに必要な部分はナックルの先端部分のみ。ぶつけて連結するためにここに傾斜をつけているわけですが、この自動連結機能を捨てて平らにしたら、と考えているうちに、ふほぁっ?とアイデアが浮かびました。
さっそく作図して試作修正しながら適切な形状を求めて出来たのがこれ。
なんとなく朝顔型に見えなくもありません。それになにより小さい。
連結相手のマグネマティックカプラーの首振りに頼るところはありますが、かなりの急カーブに対応します。写真はR103ミニカーブレールです。
この例はオーバーハングの量がかなり違う場合に当たります。
下はオーバーハング量を同じくらいに合わせた例。マグネマティックカプラーの首振りが少なくなります。上の例とあわせて考えて、これなら首振り機能がなくても大丈夫そうです。
そしてなんと、少し形状を弄ったらぶつけて連結できるようになりました! うん、満足。
FDM方式のプリンターでの出力なので積層痕やバリを取る作業が必要でしたが、設計デザイン的にはこれで成功ということでしょう。
自己満足の極みみたいなものですが、今回はなんだかアイデアがぽっとでてきてそのままスムーズに上手く形になってくれたという爽快感というか満足感というか、それがすごく嬉しくて気分のいい勤労感謝の日の図画模型工作でした。
追記;
ケーディカプラーとの連結状態の確認のために出してきた乗工社初期キットのキャラメルモーターPU加藤DLですが、久し振りに走らせてみたらまだまだ現役で調子良く滑らかに走ってくれました。
久し振りにキャラメルモーター走らした。うん、まだ健在。 pic.twitter.com/FmcN6CVszf
— 蕗狩軽便シュレマル工房 (@sktrokaru) 2021年11月23日
追記 2021.11.24;
朝起きて気づきました。このカプラーのヘッド部分をそのまま上に伸ばせばエガータイプのループカプラーとも連結可能ですね!
お〜、なかなかすごいモノが出来たのかも知れん、と朝からちょっとご機嫌です。