以前ユニバーサルジョイントの位相の事を記事にしました。
そのときに推察した位相ずれの原因の他にも、もっと前に書いた旧ブログ記事のメモが出てきたので紹介します。
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2018-02-13
随分以前にちょっと話題になっていたユニバーサルジョイントの位相ですが、なんで90度ずれたのが普及しちゃったんだろうなあ、と考えていてあることに思い当たりました。
その昔、なんだったか忘れましたがおもちゃ製品を分解していてこのずれた位相のプラ製ユニバーサルジョイントを見つけてふーんと思ったことがありました。
趣味レベルでも機械工学の知識があればまず間違わないだろうし、知識がない場合は実物機械や参考書の例を意味を理解しないままにデッドコピーするのが普通だろうと思うので、最初に90度位相をずれさせた(間違えた?)のはなにかしら設計者製作者に意図的なものがあったのではないかと想像しました。
おもちゃに使われていたものは結構乱暴なつくりの可動範囲の大きなジョイントだったので位相が合っている場合、大きく曲がった時にカップの断面に開いた溝にプロペラシャフト(ドライブシャフト)が食い込む可能性があるのを嫌ったのかもしれません。
カップの溝が断面に開かないように長穴にするとかシャフトの太さ等をうまく設計すればそういう問題は起こらないように思いますが、そういうコストのかかることは避けたでしょうし、もともとギクシャクした動きのおもちゃに厳密な等速の伝導なんて意味ないですから90度ずらせてシャフトの動きをうまく制限しようとしたのかもしれません。
これがそのまま先行事例として鉄道模型に持ち込まれてしまったのではないかと思います。
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この時はこういう風に考えていたのですね。現場的発想からはこういう理由もありえるのではないかとと思います。
でもなんで今ごろこのメモを紹介したかというと、こんなものを発見したからです。
意図的に90度位相をズラした理由の説明が意味不明なのですが、これ、タミヤラジコンカーの純正パーツ?みたいです。
そんなバカなとタミヤのサイトを検索したらこの品番のパーツは出てきませんでした。廃盤になったものなのかサードパーティ製のものなのかわかりません。
ラインナップにあるのは鉄道模型で使われているのと同じタイプの通常?の位相ズレのないドッグボーンスタイルのドライブシャフトとカップを使った簡易ユニバーサルジョイントです。
ところが、下のようなタイプのユニバーサルジョイントもラインナップにありました。
片方のジョイントがドッグボーン型シャフトと切れ込みを入れたカップを使う簡易型ではなく、ドライブシャフト先端に中子を入れてクロススパイダーを持つ正式なユニバーサルジョイントと機能的に同等のものにしているように見えます。ドライブシャフトが一定の位置で保持され軸方向に動いて踊らないようにする工夫でしょう。
ただこれ、中子を受けるドライブシャフトの穴の向きがジョイントの位相が90度ずれる向きになっているように見えますし、ピンの軸に垂直な面ではプロペラシャフトが自由に動く構造になっていないように見えるのですが、どうなのでしょう?
どうもよくわかりません。
この他にダブルカルダンというドライブシャフトもラインナップにあって、ラジコンカーの機構がよくわからないこともあってパーツだけでは位相がどうなっているのかわかりません。
謎が深まるばかりですが、ラジコンカーではそれほど位相のずれによる不等速な伝導を問題にはしていないのかもなどと考えてしまいます。
追記;
コメントで言及した「疑似的な等速ジョイント」というのは良い言い方ではなく、実際には等速にはなりません。下記に訂正記事を掲載しました。