蕗狩軽便 図画模型工作部日記

ー シュレマル工房 覚え書き ー

鉄道模型:Nゲージの始め方

一般雑誌などに掲載されるNゲージの始め方や入門指南の記事がなんだか詳しすぎるように思えて、以前自分なりに纏めたものが出てきたので、再度書き直してみました。

事前知識の無い人にもやさしく書いたつもりですが、実物鉄道ファンやコレクションをしたい人向けには、また別の視点からの扱い方や注意の記述が必要だろうと思います。

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 ● 最低限必要なもの

最初はなにも考えずに、好みの列車が入っている「入門セット」を手に入れるのが一番です。

「入門セット」には普通、列車1編成、組み立て線路一周分、電源コントローラー、その他の付属品、説明書が入っています。

まずは、このセットから始めて、だんだんと欲しい種類の列車セットや車両、線路を買い足していくと良いでしょう。製品のラインナップは説明書などと一緒に添付されているはずです。

現在「入門セット」を出しているメーカーは、KATOとTOMIXです。どちらを選んでも、内容や性能にはほとんど変わりありませんので、気に入った車両が発売されているかどうかで選ぶと良いでしょう。

ただ、それぞれ自社独自の組み立て線路システムを採用しているので、特別なパーツを使ったり加工したりしない限り、両メーカーの線路をつなぎ合わせることはできません。しかし、どちらのメーカの車両も問題なく他メーカーの線路を走らせることができます。

あえていうなら、KATOの線路システムはお座敷運転向け。TOMIXの線路システムもお座敷運転用ですが、線路の種類が多く、風景付きの固定式レイアウトに組み込みやすい構造をしています。

ただ、お座敷運転といっても畳敷きだと線路がでこぼこして脱線しやすくなるのでフローリングや大きなテーブルの上がお勧めです。

● 手に入れかた

鉄道模型の専門店や街の模型店おもちゃ屋さん、模型を扱う家電店などに行けば手に入ると思いますが、買いに行く手間や、品揃えなどを考えると、ネットでの通販も利用価値があります。

大型量販店や一部のネット通販店などでは、割引販売している例も多いようです。

● 注意事項とメンテナンス

所詮はおもちゃとはいえ、それなりに精密な模型ですので子供が遊ぶプラレールのようなわけには行きません。小さくて引っかけたり壊れやすい部品もついていますから、遊んだ後は車両を専用のケースに入れて保管する方が良いでしょう。車両セットは編成ごとにケースに入って売られています。

線路やコントローラーはそれほど扱いに気を配る必要はありませんので、まとめて大きめの箱に投げ込んでおいても問題ありません。

ほこりがたまった床に直接線路を敷いて走らせたりすると、故障の原因になるので注意して下さい。走行部分に綿埃などを巻き込んだりすると分解掃除が必要になります。

そのほかは、説明書どおりに扱えば、なんの問題もありません。

メンテナンスとしては、線路と車輪の汚れを落とすことくらいですが、これは、まめに行った方が良いでしょう。車両が増えてくると結構大変です。

線路の汚れは、別売りされているレールクリーナーを布につけて拭き取ります。

車輪の汚れは、綿棒や爪楊枝でこすれば、大抵は簡単に落ちます。動力車もその他の車両の車輪も同じように丁寧に汚れを落とします。

TOMIXからは専用のマルチクリーニングセットという、ほこり吸い取りと線路磨きを行う車両と車輪の汚れを落とす機構を組み込んだ線路のセットも発売されていますが、普通はそれを使うまでもないでしょう。

裏技として、幅5センチほどの幅に切ったティッシュペーパーを2枚重ねて線路にゆるくたるませて置き、クリーニング液を垂らして染み込ませてから列車を走らせると、車輪の汚れがかなり落ちてくれます。電車ならティッシュの上で止まることはありません。

レールや車輪のクリーニングをしても車両の走りが悪くなったり動かなくなったときは、詳しい方か購入したお店に相談しましょう。大抵の場合はちょっとした分解掃除、修理でまた良く走るようになります。

● ステップアップ

組み立てたエンドレス線路を列車がくるくると走り回っているのを眺めているだけでも十分楽しいものですが、そのうち、別な列車の編成を走らせてみたくなったり、もうすこし複雑な線路配置を試してみたくなったりしたら、カタログや解説書を見て、車両セットや追加線路セット、バラ売り線路を買い足せばいいでしょう。

また、風景(シーナリー)付きのレイアウトに挑戦することもできますが、まずは、模型雑誌や参考書などを見ながら、小さな飾り台をつくって楽しむことから始めると良いでしょう。

簡単な工作で結構見栄えのするものができます。材料は模型店や通販で手に入ります。

まかり間違っても最初から模型雑誌などに出ているレイアウトみたいなものを作ろうとは考えないようにしましょう。見様見真似で楽しみながら少しずつ工作に慣れていきましょう。

鉄道模型&レイアウト参考書

鉄道模型趣味、RMMモデルス、とれいんなどの模型雑誌がいろんな意味で刺激になりますし、流通している製品の情報なども掲載されているので参考になります。

かつて鉄道模型がブームになったころ、初めての人にもわかりやすいレイアウト製作ガイドブックや入門書がたくさん出版され、テレビ等でも良く取り上げられていました。

いまは少し下火になりましたが、最近はまたコロナの影響もあってインドア趣味の一つとして注目されているのか、書店や模型店に当時よりもさらに進歩したテクニックがわかりやすく解説され、素晴らしい作例が掲載されたムック本がたくさん並んでいますので手にとって眺めてみるのも良いかもしれません。

 

追記;

このパターンでDCCの始め方も書けないかなと思いましたが、この説明の仕方が成立するほどDCC現状普及製品の方に基礎知識の無い人にもわかりやすくて親切丁寧な受け入れ環境ができているとは言えないかも、と気づいてちょっと残念な気分です。