防人の妻、黒女の歌の歌碑は、府中郷土の森の園内にあります。
新百合ヶ丘駅最寄りの金程地区にある金程万葉苑にも防人の出立を歌った万葉歌碑が建てられていると聞いて、見に行ってきました。
こちらは、防人に招集された夫の歌とその妻の返歌が対として刻まれています。
家のには葦火焚けど 住みよけを筑紫に到りて 恋しけもはも
橘樹郡の上丁物部真根
草枕旅の丸寝の 紐絶えばあが手と着けろ これの針持し
妻の椋椅部弟女
万葉歌番号 巻20-4419 および 巻20-4420
一緒に見に行ってくれた家人の解釈では、これは、
「行きたくないよー」と泣き言を言う夫に、妻が「甘えてたらあかんで。布団破れたら自分で縫うんやで!針持たしといたるからな!」
と言うやりとりの歌なのだそうです。
一般的解釈は、
家で葦火を焚いているけれど住みよいのを、筑紫に行ってから恋しく思うであろうなあ。
つらい旅の丸寝の紐が切れたら、私の手だと思っておつけなさい。この針でもって。
(注)桜井満訳注「全訳古典撰集ー万葉集(下)」旺文社 1994年7月20日 による
http://www43.tok2.com/home/manyohi/gembox-kahi-news-t-054.html
となっています。
金程万葉苑は小田急沿線ふれあい歩道の百合ヶ丘駅から新百合ヶ丘駅までのコースで紹介されています。
ただ、今は万葉集にちなんだ樹木の説明札なども無くなってしまっているのが残念でした。
もう少し股関節が良くなったら、このコースを通して歩いてみたいと思います。