蕗狩軽便図画模型工作部日記

ー シュレマル工房 覚え書き ー

ピボット軸受けのこと&車輪タイヤのテーパーのこと

鉄道模型の車輪によく使われているピボット軸受けは、先端の点接触だから転がり抵抗が少ないし潤滑油もいらないと言われていますが、よくわかりません。

調べてみたら実用機械?に使われているピボット軸受けは、下の図のCかDのような構造で、時計のルビーの軸受けや、オルゴールの調速機の軸、ハードディスクドライブのヘッドアームの軸など縦方向の軸を支えるものによくみられるようです。

f:id:sktrokaru:20201115165056j:plain


鉄道模型やおもちゃの場合は、Aのイメージのものが一般的です。しかし実際に製品の台車を触ってみると軸受けと車軸の間にガタがあって車輪が少し左右に動くのが普通のようです。

ということは、実際にはAじゃなくてBの状態で軸端?が軸受け穴に接していることになるわけで、摩擦抵抗も挙動もイメージで想像していたのとは随分違うのじゃないかと思います。

それに加えて、鉄道模型のような急カーブを走らせる場合、内外のレールの長さの違いを車輪がスリップして吸収する際の摩擦抵抗の方がずっと問題のような気がします。

そういうのはタイヤの勾配やフィレットの形状がものを言うということですが、16.5mmゲージ程度以下の模型ではそんなのは誤差の範囲で、強力なモーターでギヤトレインの抵抗もなんのそのガリガリゴリゴリと力任せに動かしている状態の方が多いように思うので、すごく重くて長大な編成を牽かせて遊ぶような場合以外はあまり気にしなくて良いように思いますがどうなのでしょう。

2020.4.27 追記

ピボット軸受けについて、ちょっと考えたことを記事にしました。

sktrokaru.hatenablog.com

2020.11.27 追記

カーブでの車輪の摩擦抵抗は、フランジがレールに擦れても起こるでしょうが、観察する範囲では余程の急カーブでかつかなりホイールベースが長くない限り(&余程変な形の車輪横断面でない限り)フランジがレールに接触することは無さそうに見えますので、内外のレールの長さの違いで車輪がスリップして起こる摩擦抵抗が大きいように思いますが、これもまたはてどうなのでしょう?

2021.1.17 追記 

カーブで2軸台車を走らせると、カーブに添わず直進しようとするように前側が外方向に振れて外側車輪がレールとなす角度をアタック角というらしいです(うろ覚えだから間違ってるかな?)。

が、それって、カーブ線路で一定の距離を進めば内外でレールの長さが違うのだから、車輪タイヤ(踏面)軸方向のテーパーが足りなければ、当たり前の話ですね。

車輪のテーパーの役割についてはこちらの動画がよくわかります。

www.youtube.com

模型の場合、抵抗を減らしカーブをスムーズに曲がれるようにするには大半径フレットが効果的という話を聞きます。フィレットというのは、二つの面が接する線のカドを丸くしてあたりを柔らかくする整形加工のことで、車輪のタイヤからフランジが立ちあがる部分の横断面が円弧になっているのがそれです。

大半径フィレットを持ったフランジを採用すれば車輪タイヤのテーパーと同じ役割を果たせるということですね。フランジがレールの側面に当たって擦れる事も防げるでしょうし一挙両得ですね。

ナローゲージの超絶急カーブで力任せにガリゴリ走らせている私の様な楽しみ方ではあまり関係ないし気にしなくても良いことですが、色々と調べたり考えを巡らせるのはなかなか楽しいです。