蕗狩軽便図画模型工作部日記

ー シュレマル工房 覚え書き ー

誕生日のプレゼントに白いキックボードを買ってもらいました

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家内にお願いして、誕生日のプレゼントにキックボードを買ってもらいました。

高齢者なので?白い色です。マデインチナです。

組み立てが結構わかりにくかったのと、どう考えても何のためについているのかわからないパーツがあって不思議な設計です。

フロントホイールのハンドルステムがフットプレートの上に重なるように折り畳めるのですが、ヒンジシャフトの横にあるクイックリリースボルト(前輪のすぐ右のフレームに付いているクイックレバーがそれです)が何を挟んで締め付けているわけでもなく、???の状態。

ひょっとしてパクリデザインで格好だけ真似たと言う事なのかなあと、ちょっと不安。でも他のところの構造や溶接などもしっかりしていて、乱暴な若者が乗ってもヨボヨボの老人が乗っても問題はなさそうですので気にしないことにします。

早速、人がいなさそうな時間を見計らって、自宅前の緩い坂道で試し乗りしていたら、何故か突然申し合わせたように宅急便のトラックに続いて子供を乗せたママチャリ、学生さんらしき2人連れが次々と現れてそれぞれ不審そうな眼で………それはまあ坊主頭で薄いサングラスを掛けた人相の悪いヨボヨボの爺いが白いキックボードに乗って神妙な顔で走っていたらそりゃもうさぞかし奇怪?な光景だろうとは思いますが……恥ずかしいやんけ……

それはともかく、乗り心地は思ってたんと違って結構スパルタン。このあたりのアスファルト舗装表面が粗いせいもあるのでしょうが、硬質ゴムのソリッドタイヤだからこんなものなのでしょう。想像していたようにスーッと滑るよう、には走りません。

意外とサイズが小さく感じて結構足漕ぎがしんどい(これは歳のせい?)のと、ステムが垂直に近くキャスター角がほぼないと言っても良いくらいなので慣れるまではハンドルが安定しませんでした。少し軽減してはいるものの持病の変形股関節症の痛みがあるので思うようには扱えません。

ブレーキは後ろ側の足の踵でマッドガード兼ブレーキパッドを踏みつけますがあまり効きは良くありません。ハンドブレーキもついていますがこれはお飾りレベル。高級バージョンにディスクブレーキタイプの製品がある理由がわかりました。

でもまあ、結構面白いです。

今度はしっかり人のいない時を確認して遊ぼうと思います。

 

追記:

実は、老人が転けたら危ないからと強制的にヘルメットも一緒に 買ってくれていたのですが、これを被った老人がよたよたとキックボードを走らせているところを想像するとさらに怪しさ倍増しそうなので、とても使う気になりません。

困ったことです。

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ハヤカワ文庫「テンプル騎士団の古文書」

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どうも調子が出ないので「テンプル騎士団の古文書」というタイトルからしてB級臭が香ばしい海外小説を読み始めたのですが、22ページ目にして文字通り押しも押されもせぬB級エンタメ小説確定となりました。

女性主人公が、誰もが眼を奪われる程魅力的な色っぽい才色兼備のシングルマザー考古学者で、他の登場人物も皆美男美女にマッチョにオカマという念の入ったチート設定が強烈過ぎ。加えてご都合主義の展開が軽快で面白いとくればもう良質B級エンタメ作品?確定で超安心して読めること請け合いです。

というわけでボチボチと読み進めていくと、何というかもう文字通り絵に描いたように息つく暇もなく繰り広げられるカーチェイスから銃撃戦からビル屋上の追撃バトルから囚われの身の主人公の地下通路危機一髪脱出劇から炎に包まれる身体から燃え上がる厩舎に爆走する馬達から何からetc.etc.とこれでもかというくらいてんこ盛り展開の冒険活劇アクションシネマを観てるみたいなノンストップアクションミステリー?エンタメノベルです。

が、ふと表紙カバー見て、これ、原題が、「ザ・ラスト・テンプラー」というのを発見。「ラストエンペラー」のもじりかい!?

邦題を「テンプル騎士団の古文書」としたのもわかる気がします。原題そのままだと、「最後の天ぷら」って茶化されてしまいそうですものね。

ということで上巻読了。

下巻読んだらまた追記します。

 

追記:下巻読了

下巻に入ってお約束通り女主人公が女性ならではのキャラ全開の大活躍で男性準主人公とのロマンスも取り混ぜながら、その他冒険活劇アクション場面の全く調子は変わらずに、ダイビングに銃撃戦にヘリコプターに大嵐の沈没船サルベージに船上大活劇にこれまたお約束通り島の浜辺に瀕死の漂着にその他色々etc.の末に如何にもの大団円?という……全く持って絵に描いたような文字通りの良質?B級冒険活劇アクションミステリーエンタメノベルそのものの読後感で大満足?かな?と言うところでした。

解説を読むと、作者はアメリカの売れっ子脚本家で、映画脚本として完成していたものをノベライズしたものだと言う事で、ああ、そう言う事だったのね、と納得しきり。

キリスト教信者にはどうかわかりませんが、八百万の神を祀る日本人には、調子悪い時に何も考えずの流し読みには楽しくておすすめの作品だと思います。

「鉄道模型趣味」誌の「3点支持」解説記事が面白い

貸してもらった古いTMSを見ていたら、「3点支持は脱線防止の万能薬では無い。その実態と模型化を再検討する」という解説記事に行き当たりました。

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1957年12月号だから65年近く前の記事ですが、昔からイコライジングの原理?理屈?への関心は高かったようです。

興味を引かれたのはこの図。

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なにを考えてこんな妙な機構の図を?

それから、この図。

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パースが変だしイコライザーの天秤棒?の向きもおかしく見えるし(イラスト清書担当がよく理解していなかった?)、示したい事もぱっと見わかりにくい図で、なんやのん?これ?と、取り敢えず最初から読んでみることにして真面目に文字を追い始めました。

この時代はもちろんまだロンビック、等角逆捻り機構の概念はありません。なのでとにかく3点支持をピボットに据えて、のんのんずいずい話を展開していく文章がなかなかに面白かったです。

こういう読んでいて楽しく知識も得られる文章って今ではそう見られないような気がします。

しかし、ずーっと読んでいくと、右往左往あちこち鼻面を引っ張り回された末に、結局はボギー車は側枠イコライジングの2点支持台車横揺れをボルスタのバネで支えるのが最良とか、4-4-0を引き合いにイコライザーの原理と3点支持の関係をしっかり理解して適用すべしとか、今更ながらの結論に落ち着いてしまって、なんかすこし拍子抜け。

でも文章がわかりやすく軽快な上に、タイトルにカットイラストがあしらわれていたりもして、とても楽しく勉強になる記事を読むことが出来ました。

冊子をめくっていると、この記事以外にも、今ではちょっと考えられないような独特の雰囲気を持った語り口の文章がそこここに見られて、当時の鉄道模型趣味の楽しみ方の片鱗を覗き見出来たような気がしました。